2021年03月15日
目次
マンションの防水工事の種類別単価
マンションの屋上や共用廊下などに防水工事を始めたいと考えたときには、防水工事に種類があることを知っておく必要があります。防水工事は、シート防水、ウレタン防水、FRP防水、アスファルト防水と大きく4つの種類に分類され、それぞれ耐用年数と費用単価も異なります。
シート防水
塩化ビニールなどの防水シートを接着材で床面に貼り付けて行います。耐用年数は10年程度~15年程度となっており、費用相場は1平方メートルあたり7,000円程度~8,000円程度となっています。
ウレタン防水
液状の防水材(ウレタン樹脂)を床面に塗装します。耐用年数は10年程度~12年程度となっており、費用相場は1平方メートルあたり6,000円程度~8,000円程度となっています。
FRP防水
FRP(ガラス繊維製の強化されたプラスチック)にポリエステル樹脂を組み合わせて床面に塗布します。耐用年数は10年程度~12年程度となっており、費用相場は1平方メートルあたり9,000円程度となっています。
アスファルト防水
アスファルトを浸透させた合成繊維の布を張り重ね、その上からコンクリートで保護します。耐用年数は15年程度~25年程度となっており、費用相場は1平方メートルあたり6,000円程度~8,000円程度となっています。
マンションの屋上と共用廊下に適した防水工事
屋上に防水工事をする際、「屋上をどのように活用しているか」によって適した工法は変わります。
出入りがほとんどないのであれば、施工しやすいウレタン防水が適しています。屋上緑化をしていてよく水を利用するという屋上であれば、アスファルト防水が適しています。ただ、人が多少出入りする程度であればシート防水が適しているでしょう。
FRP防水は紫外線に弱いため、屋上への防水工事にはあまり向いていません。
共用廊下に防水工事をする際には、施工後すぐに歩行が可能となって入居者様にご不便をかけることがないシート防水が向いています。
防水工事を行う面積から概算費用を算出
防水工事を行う場合、1平方メートル当たりの単価はわかりますが、実際に工事を行うマンションそれぞれの防水工事費用総額はわかりません。ただ、防水工事を行う面積が分かれば、その面積に工事単価をかけることで概算の防水工事費用総額を割り出すことができます。
レンタブル比から推定!マンションの面積の内、共用スペースの面積は?
マンションの屋上面積は基本的に、居住部分と共用部分を合わせた面積ですから、建物を真上から見たときの外周で求めた面積のことを指す「建築面積」が防水工事を行うおおよその屋上面積とほぼイコールになります。
この建築面積は、「建ぺい率(敷地に対して占める建物の面積の割合のこと)×土地面積(土地を真上から見たときの投影面の面積のこと)」で算出することができます。土地面積は敷地面積とも呼ばれています。
また、マンションでは、延床面積に対する収益部分の床面積の割合のことを指すレンタブル比という数値がよく用いられます。このレンタブル比は「貸室部分の面積÷延床面積」で求めらます。マンションの建築面積がわかれば、そこからレンタブル比を考慮することで、共用廊下など、共用スペース部分の面積の目安が分かります。
一般的に、マンションのレンタブル比は延べ床面積の65%~80%と言われていますから、共用スペース部分の面積は建築面積の20%~35%と考えられます。マンションの共有スペースの大半は共有廊下ですから、「建築面積-レンタブル比」からおおよその共有廊下の面積がわかると思います。
マンションの床面積別費用まとめ
建築面積が100平方メートル、延べ床面積が1,000平方メートルのマンションで考えてみましょう。このマンションで屋上防水工事を行う場合、防水工法によっても異なりますが、どの工法で工事を行ったとしても総額工事費用は60万円程度~90万円程度の範囲で収まることになります。
また、同じマンションで共用廊下のシート防水工事を行った場合、総額工事費用として14万円程度~28万円程度の範囲で収まることになります。
※上記はあくまで目安になります。マンションの構造やその他の条件次第で当てはまらない場合もございます
建築面積から推定!マンションの屋上の防水工事費用
マンションによっては、でこぼこがあったり障害物が置いてあったりしてフラットではない屋上も存在します。そのため正確ではありませんが、前述したとおり、マンション屋上の防水工事費用のおおよそは建築面積から算出することができます。
ただし、建築面積は建物の外周から求めた数値から計算した値ですので、正確に屋上の面積を示しているわけではありません。マンションの設計図面などで正確な屋上面積がわかれば、正確な屋上防水工事費用の算定をすることができます。
延床面積から推定!マンションの共用廊下の防水工事費用
マンションの延べ床面積がわかればレンタブル比がわかりますので、「建築面積-レンタブル比」で共有スペース部分の概算がわかり、そこから共有廊下部分のおおよその面積が推定できます。ただ、それはあくまで推定にすぎません。屋上面積と同様に、マンションの設計図面などで正確な共有廊下面積を知ることで、共用廊下防水工事費用を正確に算定することができます。
床面積などを調べるには?
設計図面が見つからないマンションの床面積などを正確に把握したい場合には、法務局で不動産登記情報を調べしましょう。一般財団法人民事法務協会が運営している 登記情報サービスでも、インターネット上から不動産登記情報を閲覧することができます。
見積もりをとってから予想外の費用に驚くことがないよう、防水工事の前にはできる範囲で正確な床面積を調べておくことをすすめします。
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