【プロが教えるシート防水】内容やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説

2021年05月26日

  • ルーフィングシートという防水シートを屋根や屋上に設置する防水工事の方法
  • 防水シートは塩ビシート・ゴムシートが一般的
  • 平らな屋根(陸屋根)の建物に適しており、住宅からビルまで様々な建物で使われている
  • 耐用年数は10年~15年

【シート防水とは】工事内容と向いている建物

ゴムや塩ビ(塩化ビニール)の防水シートを専用の接着剤や機械などで建物に貼り付け、雨水などの侵入を防ぐ防水工事のことをシート防水と呼んでいます。
防水材で作られたシートを張るだけであるのに、耐用年数の目安は10年~15年と比較的長く、費用対効果の高い防水工事だといえます。

防水シートは耐摩耗性に優れているだけでなく、張ったところは歩行もしやすいために、屋上やバルコニーなど、広い面積の防水工事によく用いられる工法です。
とくに、陸屋根と呼ばれるフラットな屋上に向いている防水工事です。
ただ、防水シートを張り付けて行う工法であるため、複雑な形状を持つベランダのような場所への施工は不向きとなります。

なお、屋根用の防水シートは、ルーフィングシートと呼ぶこともあります。

シート防水のメリット

シート防水の価格は、ゴムシートであれば1㎡あたり2,500円~7,000円程度、塩ビ(塩化ビニール)シートなら1㎡あたり3,500円~7,500円程度。
他の防水工事と比べ安価で済むのが特長です。
安価であるのに、耐用年数は10年~15年程度と比較的長いのもメリットといえます。

また、アスファルト防水やウレタン防水など、他の防水工事のように防水材を塗る必要がないので乾燥する時間はいらず、工期を短くすることができます。
シートをかぶせるだけですので、広い範囲の施工がしやすいといったメリットも持ちます。

シート防水のデメリット

シート防水は、薄いシートを貼り付けて行うため、形状が複雑な場所の施工には適していません。

塩化ビニール製あるいはゴム製のシートを使用しているため、なんらかの理由により防水シートが破れることもあります。
その破れ目を放置していると雨漏りが発生しますので、防水シートが破れたときには再工事が必要になってきます。
また、防水シートには必ずつなぎ目が生じます。
そのつなぎ目の接着処理をきちんとしていないと雨漏りが起こる可能性があります。

【2大素材比較】塩ビシートとゴムシートのどちらが良い?

塩ビシート ゴムシート
素材 塩化ビニール樹脂 加硫ゴム
費用 比較的高い 比較的安い
工事の難易度 高い 低い
耐久性 比較的高い 比較的安い
耐用年数 約15年程度 約10年程度

シート防水と一口に言っても、塩ビ(塩化ビニール)製シートとゴム製シートでは細かな違いがあります。

防水シートを接着剤や機械で下地に張り付けて施工する塩ビ(塩化ビニール)製シートは、摩耗や衝撃、紫外線などに強いので、ゴム製のシートと比べて耐久性が高いという特長を持ちます。

接着剤などで下地に貼り付けるゴム製のシートも紫外線には強く、軽量で収縮性に富んでいるのが特長です。
塩ビ(塩化ビニール)製シートと比べて安価に施工ができますが、物理的衝撃には弱く破れやすいという欠点もあります。

塩ビ(塩化ビニール)製シートはゴム製シートと比べ価格は高額ですが、ゴム製シートより品質が高く耐用年数も長くなっています。
長い目で見た場合、塩ビ(塩化ビニール)製シートによるシート防水のほうがお得だと言えるでしょう。

知っておきたいシート防水の工法

シート防水を施工する際の防水工事には、下地に接着剤を塗って防水シートを張りつける「接着工法」と、固定ディスクで防水シートを下地に固定する「機械的固定工法」という2つの種類の工法があります。

接着工法

接着工法でシート防水を行う場合には、下地に接着剤を塗って防水シートを密着して貼り付けていきます。
シート全面が下地に密着して接着されているために、耐風性に優れているのが特長です。
ただ、接着剤を使うために、施工箇所の下地が十分に乾燥している必要があるなど、下地の状態に左右されやすい工法といえます。

機械的固定工法

機械的固定工法でシート防水を行う場合は、固定ディスクを使って防水シートを下地に固定します。
機械的固定工法には、固定ディスクを先に打つ「UD工法」と、工程ディスクを後に打つ「US工法」の2つの方法があります。
UD工法は、ディスクを固定してから塩ビ(塩化ビニール)製シートと接合するので、施工後の見た目のデザイン性に優れています。
US工法は、塩ビ(塩化ビニール)製シートを敷設した後にディスクで固定しますので、耐風圧性が高く、高層階や沿岸のマンションなど、風が強い場所の建物に適しています。

機械的固定工法は、接着工法よりも工期の短縮ができますが、ディスクを固定する力加減によって防水シートが破れやすくなる場合もあるなど、職人の腕に左右されやすい工法となっています。

シート防水の施工手順

シート防水の施工手順は、接着工法で防水工事を行うか、機械的固定工法で防水工を行うか、工法によって異なります。
それぞれの工法ごとに防水工事の施工手順を紹介します。

接着工法の施工手順

塩ビ(塩化ビニール)製シートを用いた接着工法の手順です。

1.下地の確認と清掃

施工する箇所の下地が十分に乾燥しているかどうか確認します。
また、下地に砂や塵埃、油脂類、セメントなどの微粒子といったものが残っているとシートが密着しないので、それらを清掃します。

2.下地処理と接着剤塗布

防水シートの接着力を高めるため、下塗り塗料であるプライマーや樹脂モルタルなどを下地に塗布します。
その上で、合成ゴム系の接着剤を下地面とシート裏面に塗っていきます。
エポキシ樹脂系の接着剤は、下地面のみに塗ります。

3.防水シートの貼り付けと接合

防水シートを割り付けたら、空気やシワが入らないよう防水シートを貼り付けていきます。
雨漏りが起こらないよう、防水シートの接合部は溶剤溶着か熱融着などで接合します。

4.接合末端部のシール

ハンドローラーなどで防水シートを締め固めたら、不定形シール材を使い、接合末端部をシールします。
途切れがないよう、すべての接合部はシールしておきます。

機械的固定工法の施工手順

機械的固定工法を用いた接着工法の手順です。

1.下地条件の確認と修繕

樹脂アンカーやビスの引抜試験などを行うほか、水たまりになりそうな凸凹は補修し平らにしておくなど、施工箇所の下地を処理するのと同時に下地の強度を確認します。
下地に砂や塵埃、油脂類、セメントなどの微粒子などのゴミが残っていたら清掃します。

2.絶縁シートの敷設と固定金具の取り付け

シワやふくれがないように絶縁シートを敷設していきます。
続いて、シートの割り付けや風荷重を考慮して、ディスクを固定する金具を取り付けます。

3.防水シートの張り付けと接合

固定金具に熱融着が溶剤溶着などで、防水シートを張り付けます。
その際、歪みやたるみが残らないよう気を付けます。続けて、熱融着が溶剤溶着などで、接合部分を接合します。

4.排水口等と接合末端部の処理

排水口(ルーフドレン)などに、成型役物の処理を行います。
最後に、シール材を用いて、接合末端部の加工処理を行います。

シート防水工事の業者は慎重にご検討を!

屋上やバルコニーなどのシート防水工事は、施工をする業者が持つ技術はもちろん、工法や使用する材料によって仕上がりの品質が大きく左右されます。
シート防水工事を依頼する際には、手抜き工事をせず、高品質な材料を用いる業者にお願いしましょう。

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